Nature ハイライト
Cover Story:引き寄せ合う:光制御による生体分子機械の組織化
Nature 572, 7768
鳥の群れから分子モーターまで、アクティブマター系は、それぞれが周囲環境のエネルギーを消費して力学的な仕事に変換する個々の構成単位からなっている。そうしたアクティブマター系では、自発的にパターンを形成し流れを生み出す能力についての実験的実証が広く探求されてきた。しかし、人工的な系には、生物系に見られるレベルの時空間的制御が欠けていることが多い。今回T RossとM Thomsonたちは、光を用いて人工的なアクティブマター系の挙動を誘導して、動的な操作や制御が可能な創発的な構造と特性を生み出せることを示している。表紙は、今回の系の基礎になる微小管である。これらの微小管には、微小管に沿って移動する分子モーター(オレンジ色)が付随している。これらの分子モーターは、光の下で二量体を形成し、この二量体が微小管を引き寄せ合わせて、創発的な構造の制御を可能にする。
2019年8月8日号の Nature ハイライト
物理化学:衝突し合う低温分子
生態学:土壌線虫類の全球マッピング
幹細胞:ヒト肝細胞アトラス
生物工学:生物学的オルソゴナル制御
天文学:高赤方偏移の可視光では見えない銀河の大規模な種族
材料科学:積層グラフェンを調節可能な超伝導体に
水文学:一時的な強い降雨による効率の良い地下水の涵養
進化生物学:紅藻類に近縁な捕食者
代謝:微生物はリシンを取り込むことで酸化ストレスから自身を守る
がん:細胞競合は腫瘍発生を促進する