Nature ハイライト

代謝:微生物はリシンを取り込むことで酸化ストレスから自身を守る

Nature 572, 7768

グルタチオンとNADPHは、酸化ストレスを防いで適切な細胞機能を維持する上で重要な役割を担っている。V Olin-Sandovalたちは今回、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)が酸化ストレスに対処するために編み出した、これまで知られていなかった戦略について報告している。酵母が環境からリシンを取り込み、それを使って代謝をつなぎ替えると、NADPHをより節約してより大きなグルタチオンプールを維持できるようになり、ストレス耐性が上昇する。取り込まれたリシンの細胞内濃度は、増殖に必要な濃度よりも2桁高くなることもある。これを可能にするのは、リシンをカダベリンへと変換する、基質許容性の非常に高い酵素反応である。この予防的かつ条件的で強力な代謝抗酸化剤戦略は、出芽酵母だけでなく、他の微生物細胞でも見つかった。

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