Nature ハイライト

材料科学:積層グラフェンを調節可能な超伝導体に

Nature 572, 7768

超伝導体は、電気抵抗なしに電気を通すことのできる物質である。最初の超伝導理論は1957年に報告されたが、このモデルで記述できない非従来型超伝導体が数多く存在する。こうした非従来型超伝導物質の特性は調節が難しいため、その根底にある物理を探ることは困難である。最近、2層グラフェンを用いて非従来型超伝導が観測され、より制御しやすい有望な新しいプラットフォームが得られている。しかし、2層グラフェンを必要な魔法角だけずらすことは困難である。今回F Wangたちは、3層グラフェンにおいて調節可能な超伝導の特徴が現れることを報告している。この3層グラフェンは、積層の様式は特殊だが、角度をつける必要はない。そうした系では、電子の相互作用や特性を電気的に制御できるため、非従来型超伝導体の基礎となる物理を調べる魅力的な代替手法が得られる。

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