Nature ハイライト
物理化学:衝突し合う低温分子
Nature 572, 7768
低温原子や低温分子の衝突は、さまざまな過程で重要な役割を果たしており、確立されたレーザー冷却技術や捕捉技術のおかげで、こうした衝突を実験室の設備で研究できる。しかし多くの分子には、そうした冷却法を適用するのに適した電子遷移がない。今回E Nareviciusたちは、捕捉された低温分子の衝突を、レーザー冷却を使わず観測したことを報告している。彼らは、酸素分子を超伝導トラップに磁気的に捕捉し、弾性散乱率と非弾性散乱率の比の限界を定めて、蒸発冷却の実行可能性を評価した。今回の成果は、同時捕捉した常磁性化学種の極低温反応の研究などへの道を開く可能性がある。
2019年8月8日号の Nature ハイライト
物理化学:衝突し合う低温分子
生態学:土壌線虫類の全球マッピング
幹細胞:ヒト肝細胞アトラス
生物工学:生物学的オルソゴナル制御
天文学:高赤方偏移の可視光では見えない銀河の大規模な種族
材料科学:積層グラフェンを調節可能な超伝導体に
水文学:一時的な強い降雨による効率の良い地下水の涵養
進化生物学:紅藻類に近縁な捕食者
代謝:微生物はリシンを取り込むことで酸化ストレスから自身を守る
がん:細胞競合は腫瘍発生を促進する