Nature ハイライト
水文学:一時的な強い降雨による効率の良い地下水の涵養
Nature 572, 7768
サハラ以南のアフリカの人間社会は、地下水を含む水資源の持続可能性に深く依存している。地下水の涵養についての観測結果は乏しく、そうした結果の統合が困難なため、地下水涵養が降水、気候、地質によってどのように制御されているか理解することは難しい。今回M Cuthbertたちは、数十年間のハイドログラフのデータセットを集め、涵養を支配する簡単な関連性は存在しないことを見いだしている。乾燥地域では、降水量がしきい値を超えている限り、比較的乾燥している年でも涵養量が極めて多い。一方、湿潤な地域では、降水量が年ごとに変動するにもかかわらず、涵養量はほぼ一定のレベルを示し、涵養速度は気候ではなく地質によって左右されている。まとめると今回の結果は、サハラ以南のアフリカでは、起こり得る気候変動パターン(豪雨の頻度は減るがより強いものとなる)では、地下水資源は必ずしも減少しないことを示唆している。
2019年8月8日号の Nature ハイライト
物理化学:衝突し合う低温分子
生態学:土壌線虫類の全球マッピング
幹細胞:ヒト肝細胞アトラス
生物工学:生物学的オルソゴナル制御
天文学:高赤方偏移の可視光では見えない銀河の大規模な種族
材料科学:積層グラフェンを調節可能な超伝導体に
水文学:一時的な強い降雨による効率の良い地下水の涵養
進化生物学:紅藻類に近縁な捕食者
代謝:微生物はリシンを取り込むことで酸化ストレスから自身を守る
がん:細胞競合は腫瘍発生を促進する