Nature ハイライト

神経科学:ヒト大脳皮質細胞タイプの高分解能アトラス

Nature 573, 7772

ヒトの大脳皮質と類縁の哺乳類の大脳皮質を区別するものが何なのかはまだよく分かっていないが、それはこれまでの比較データが裏付けに乏しくばらつきのあるものだったからである。E Leinたちは今回、ヒトの大脳皮質中側頭回の凍結試料を用いて単一核RNA塩基配列解読を行い、ヒト大脳皮質の包括的な遺伝子発現アトラスを作製した。今回のカバー率の深度は、アレン脳科学研究所で最近作られたマウスのアトラスとの高分解能比較を可能にし、その結果、意外なほどよく保存された細胞タイプが明らかになったが、それらの割合や層分布、遺伝子発現、形態に劇的な変化も見られた。これは、脳の機能や疾患の動物モデルから得られた結果を解釈する際には、注意を払う必要があることを強調している。

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