Nature ハイライト
神経科学:ヒト大脳皮質細胞タイプの高分解能アトラス
Nature 573, 7772
ヒトの大脳皮質と類縁の哺乳類の大脳皮質を区別するものが何なのかはまだよく分かっていないが、それはこれまでの比較データが裏付けに乏しくばらつきのあるものだったからである。E Leinたちは今回、ヒトの大脳皮質中側頭回の凍結試料を用いて単一核RNA塩基配列解読を行い、ヒト大脳皮質の包括的な遺伝子発現アトラスを作製した。今回のカバー率の深度は、アレン脳科学研究所で最近作られたマウスのアトラスとの高分解能比較を可能にし、その結果、意外なほどよく保存された細胞タイプが明らかになったが、それらの割合や層分布、遺伝子発現、形態に劇的な変化も見られた。これは、脳の機能や疾患の動物モデルから得られた結果を解釈する際には、注意を払う必要があることを強調している。
2019年9月5日号の Nature ハイライト
神経科学:ヒト大脳皮質細胞タイプの高分解能アトラス
免疫学:周期的圧力のPIEZO1によるメカノセンシングは免疫を活性化する
神経科学:進行性多発性硬化症における細胞タイプおよび進行段階に特異的な変化
天文学:クエーサーにエネルギーを供給する高速のインフロー
ナノ科学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける分光観測
有機化学:含フッ素アミド構成要素の直接的合成
地球科学:小地震も大地震も同じように始まる
古生物学:太古の眼から得られた新たな視点
生態遺伝学:異なる気候でシロイヌナズナのゲノムが受ける選択
神経生理学:ストレスの管理
分子生物学:相分離の調節