Nature ハイライト

古生物学:太古の眼から得られた新たな視点

Nature 573, 7772

ガガンボ化石の頭部。複眼(直径約1.25 mm)には規則的に並んだ六角形の個眼が認められる。
ガガンボ化石の頭部。複眼(直径約1.25 mm)には規則的に並んだ六角形の個眼が認められる。 | 拡大する

Credit: Johan Lindgren

今回J Lindgrenたちは、5400万年前のガガンボの眼の化石によって、節足動物のメラニン遮蔽色素に関する最初の記録が得られるとともに、また別の節足動物である三葉虫の良好に保存された眼の構造についてのこれまでの解釈に疑問が呈されると報告している。化石化したガガンボの眼には構造の二次的石灰化の証拠が見られ、これらの構造は生存中はキチン質であったと考えられる。三葉虫の眼は方解石に富んでいたというのが通説であるが、今回の研究は、生存中の三葉虫の眼に含まれる方解石がはるかに少なかったことを示唆している。

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