Nature ハイライト
免疫学:周期的圧力のPIEZO1によるメカノセンシングは免疫を活性化する
Nature 573, 7772
メカノセンシングは自然免疫応答の調節に関与していて、例えば好中球や単球の血管外遊走は剪断応力による調節を受けている。今回R Flavellたちは、肺で細胞が経験するのと同じような周期的に加わる静水圧が骨髄系細胞の活性化に及ぼす影響を調べた。その結果、剪断応力や周期的に加わる静水圧が、多様なシグナルを生じさせることが分かり、周期的な圧力を受けた際のマクロファージの活性化に、メカノセンサーであるPIEZO1が重要な役割を担うことの証拠が得られた。PIEZO1に依存する下流のシグナル伝達によって、マウス肺では細菌感染の効率の良い排除に欠かせない炎症性応答が活性化される。この研究は、細胞内シグナル伝達における機械力の役割とその自然免疫系活性化の分子機構についての手掛かりをもたらすものだ。
2019年9月5日号の Nature ハイライト
神経科学:ヒト大脳皮質細胞タイプの高分解能アトラス
免疫学:周期的圧力のPIEZO1によるメカノセンシングは免疫を活性化する
神経科学:進行性多発性硬化症における細胞タイプおよび進行段階に特異的な変化
天文学:クエーサーにエネルギーを供給する高速のインフロー
ナノ科学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける分光観測
有機化学:含フッ素アミド構成要素の直接的合成
地球科学:小地震も大地震も同じように始まる
古生物学:太古の眼から得られた新たな視点
生態遺伝学:異なる気候でシロイヌナズナのゲノムが受ける選択
神経生理学:ストレスの管理
分子生物学:相分離の調節