Nature ハイライト

分子生物学:相分離の調節

Nature 573, 7772

最近の研究で脚光を浴びている話題は、膜を持たない多様な細胞内区画の形成に相分離が極めて重要な役割を果たしていることである。このような区画としてはストレス顆粒や核小体などがあり、特定の機能を果たしている。しかし、相分離した区画の動態については、解明がなされていない。今回K Weisたちは、RNA依存性のDEADボックスATPアーゼ(DDX)が、このような動態の全ての段階を調節していることを明らかにしている。ATPを結合したDDXは相分離を促進するが、ATP加水分解が起こると区画が崩壊してしまう。DDXは区画へのRNAの流入と流出も制御する。これらの知見は、細胞内でのリボ核タンパク質複合体の調節についての手掛かりをもたらすものだ。

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