Nature ハイライト
有機化学:含フッ素アミド構成要素の直接的合成
Nature 573, 7772
小分子やタンパク質へのフッ素の組み込みは、プローブとして、また、安定性、コンホメーション、生物活性、代謝などの特性の調節に、広く用いられてきた。今回F Schoenebeckたちは、フッ素化化合物のN-トリフルオロメチルアミドを合成する方法を報告している。この方法は、N-トリフルオロメチルカルバメートやN-トリフルオロメチル尿素などの関連化合物の合成にも利用できる。今回の手法で得られる化合物をペプチドやタンパク質などの構成要素として用いることで、新しい特性を持つ薬剤や化学プローブを合成する可能性が開かれる。フッ素とアミドを併せ持つ化合物は、さまざまな分野において興味深い応用が確実に見つかると思われる。
2019年9月5日号の Nature ハイライト
神経科学:ヒト大脳皮質細胞タイプの高分解能アトラス
免疫学:周期的圧力のPIEZO1によるメカノセンシングは免疫を活性化する
神経科学:進行性多発性硬化症における細胞タイプおよび進行段階に特異的な変化
天文学:クエーサーにエネルギーを供給する高速のインフロー
ナノ科学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける分光観測
有機化学:含フッ素アミド構成要素の直接的合成
地球科学:小地震も大地震も同じように始まる
古生物学:太古の眼から得られた新たな視点
生態遺伝学:異なる気候でシロイヌナズナのゲノムが受ける選択
神経生理学:ストレスの管理
分子生物学:相分離の調節