Nature ハイライト
免疫学:膜で組み立てられたTCR–CD3の高分解能クライオ電子顕微鏡構造
Nature 573, 7775
T細胞受容体を介して行われるシグナル伝達には、補助受容体であるCD3、およびζ鎖との相互作用が必要である。CD3は、CD3γ鎖とCD3δ鎖各1本とCD3ε鎖2本から構成されている。Z Huangたちは今回、ヒトTCR–CD3複合体の3.7 Åの分解能でのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告し、この複合体の8つのサブユニットの化学量論比、組み立てと相互作用機構についての知見に加えて、TCR活性化(トリガリング)についての手掛かりを示している。この構造の解明は、TCR–CD3複合体を標的とする新規な抗がん治療薬や抗自己免疫療法の開発の新たな機会をもたらすと期待される。
2019年9月26日号の Nature ハイライト
電子材料:仕事関数をどこまで低くできるか?
免疫学:膜で組み立てられたTCR–CD3の高分解能クライオ電子顕微鏡構造
物性物理学:圧力下の水素
化学合成:ペルセアノールの合成
地球化学:キンバーライトは深部の孤立したマントル貯蔵庫に由来する
古生物学:明らかになった最初期の鋏角類
免疫学:細胞の生死の運命を決める可変抵抗器としてのDDX3X
がん:細胞の代謝が細胞状態の前悪性から悪性への移行を調節する
分子生物学:B細胞のV(D)J組換え機構
生化学:翻訳開始を単一分子蛍光顕微鏡で観察
生化学:低障壁水素結合を見る