Nature ハイライト
分子生物学:B細胞のV(D)J組換え機構
Nature 573, 7775
B細胞は、V(D)J組換えと呼ばれる過程で、さまざまな遺伝子断片をランダムに結合させて、B細胞受容体や抗体の非常に多様なレパートリーを生み出すことで、ほぼ全ての病原体の認識を可能にしている。RAG(recombination activating gene)1および2は、V(variable)、J(joining)、場合によってはD(diversity)の遺伝子断片の再編成に関与する重要な酵素である。V(D)Jリコンビナーゼは、組換えの特異性を維持するために、V、D、Jの遺伝子断片の両側にある組換えシグナル配列(RSS)を認識して結合する。F Altたちは今回、コヒーシンを介したクロマチンループ突出の進行が、下流側のDH断片RSSとの組換えおよび介在するDNAの切除に有利に働くという直線的クロマチンスキャニングモデルの証拠を示す。この研究は、この分野における長年の疑問を解決し、ゲノム安定性と染色体構造に重要な意味を持つ。
2019年9月26日号の Nature ハイライト
電子材料:仕事関数をどこまで低くできるか?
免疫学:膜で組み立てられたTCR–CD3の高分解能クライオ電子顕微鏡構造
物性物理学:圧力下の水素
化学合成:ペルセアノールの合成
地球化学:キンバーライトは深部の孤立したマントル貯蔵庫に由来する
古生物学:明らかになった最初期の鋏角類
免疫学:細胞の生死の運命を決める可変抵抗器としてのDDX3X
がん:細胞の代謝が細胞状態の前悪性から悪性への移行を調節する
分子生物学:B細胞のV(D)J組換え機構
生化学:翻訳開始を単一分子蛍光顕微鏡で観察
生化学:低障壁水素結合を見る