Nature ハイライト
古生物学:明らかになった最初期の鋏角類
Nature 573, 7775
鋏角類は、節足動物(関節のある付属肢1対を備えた体節を複数持つ動物群)を構成する主要な動物群である。現生の鋏角類にはクモ類、サソリ類、ダニ類、ウミグモ類などが含まれるが、かつてはこの他に、さまざまな絶滅種が数多く存在した。鋏角類の起源については議論が続いている。今回C AriaとJ Caronは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の中期カンブリア紀の有名なバージェス頁岩から得られたMollisonia類の一種について化石を調べ直し、最初期の鋏角類がどのような動物だったかを解き明かしている。新たな化石標本からは、鋏角類を定義付ける特徴的な鉤爪様の鋏角の他、鰓や神経系の構造など、これまでほとんど知られていなかった数々の特徴が明らかになった。総合すると今回の化石は、鋏角類の全般的な定義を改善するものである。
2019年9月26日号の Nature ハイライト
電子材料:仕事関数をどこまで低くできるか?
免疫学:膜で組み立てられたTCR–CD3の高分解能クライオ電子顕微鏡構造
物性物理学:圧力下の水素
化学合成:ペルセアノールの合成
地球化学:キンバーライトは深部の孤立したマントル貯蔵庫に由来する
古生物学:明らかになった最初期の鋏角類
免疫学:細胞の生死の運命を決める可変抵抗器としてのDDX3X
がん:細胞の代謝が細胞状態の前悪性から悪性への移行を調節する
分子生物学:B細胞のV(D)J組換え機構
生化学:翻訳開始を単一分子蛍光顕微鏡で観察
生化学:低障壁水素結合を見る