Nature ハイライト
化学合成:ペルセアノールの合成
Nature 573, 7775
(+)-ペルセアノールは、クスノキ科ワニナシ属の樹木Persea indicaから単離されたイソリアノダンジテルペンである。(+)-ペルセアノールはリアノジンとやや似ているが、(+)-ペルセアノールの中心環系は違った合成戦略を必要とする。今回S Reismanたちは、(+)-ペルセアノールを市販の(R)-プレゴンから16段階で全合成したことを報告している。この合成経路には、効率的な環化による四環性コア部の形成が含まれており、他の類似構造のジテルペンにもこの方法を適用できるはずである。著者たちは、今回の方法による他のイソリアノダンの合成を通して、摂食阻害性と殺虫性はもとより、昆虫における選択的活性に重点を置いて研究することを目標としている。
2019年9月26日号の Nature ハイライト
電子材料:仕事関数をどこまで低くできるか?
免疫学:膜で組み立てられたTCR–CD3の高分解能クライオ電子顕微鏡構造
物性物理学:圧力下の水素
化学合成:ペルセアノールの合成
地球化学:キンバーライトは深部の孤立したマントル貯蔵庫に由来する
古生物学:明らかになった最初期の鋏角類
免疫学:細胞の生死の運命を決める可変抵抗器としてのDDX3X
がん:細胞の代謝が細胞状態の前悪性から悪性への移行を調節する
分子生物学:B細胞のV(D)J組換え機構
生化学:翻訳開始を単一分子蛍光顕微鏡で観察
生化学:低障壁水素結合を見る