Nature ハイライト
医学研究:サルモデルで結核感染を予防するワクチン戦略
Nature 577, 7788
結核は、世界における感染症による死亡の主な原因である。利用可能な唯一のワクチンであるBCGは、皮内投与され、予防効果は限られている。R Sederたちは今回、送達経路や投与量を変更することにより、この予防効果の乏しいワクチンの効果を高めることに成功し、非ヒト霊長類のアカゲザル(Macaca mulatta)10頭のうち6頭に殺菌免疫を付与し、10頭中の9頭に顕著な予防効果をもたらした。これは、BCGによる殺菌免疫が動物モデルで誘導できることを実証した初めての例である。この結果は、疾患との相関要素ではなく、予防との真の相関要素を特定するための研究を加速させると思われ、臨床試験の基盤となる可能性がある。
2020年1月2日号の Nature ハイライト
天文学:赤方偏移14で始まった銀河団内の星形成
物性物理学:強誘電体の逆相転移
物理化学:二次元六方晶氷のエッジ構造と成長の原子撮像
気候科学:河氷の面積の縮小
植物発生:活性酸素種が仲介する成長
乳がん:乳がんスクリーニングに使える人工知能
医学研究:サルモデルで結核感染を予防するワクチン戦略
細胞生物学:RIPK1キナーゼは炎症性疾患を防ぐ
細胞生物学:新しいヒト自己炎症性疾患
がん:代謝が黒色腫の転移を促す
分子生物学:αシヌクレインの凝集に関わる6種類のシャペロン