Nature ハイライト
分子生物学:αシヌクレインの凝集に関わる6種類のシャペロン
Nature 577, 7788
パーキンソン病には、本来的に無秩序な構造のタンパク質であるαシヌクレインの凝集が関連している。この凝集を調節している要因は、酸化ストレス、翻訳後修飾、分子シャペロンとの相互作用などだが、この調節の基盤となる機構はまだ解明されていない。今回S Hillerたちは核磁気共鳴法をin vitroと細胞内で用いて、in vivoでαシヌクレインに結合して凝集を阻害する6種類のシャペロンを明らかにしている。この結合と阻害は翻訳後修飾に依存して行われる。これらの知見によって分子シャペロンの果たす機能のレパートリーが広がり、神経変性疾患の既知のリスク因子の作用機序について、新たな手掛かりが得られた。
2020年1月2日号の Nature ハイライト
天文学:赤方偏移14で始まった銀河団内の星形成
物性物理学:強誘電体の逆相転移
物理化学:二次元六方晶氷のエッジ構造と成長の原子撮像
気候科学:河氷の面積の縮小
植物発生:活性酸素種が仲介する成長
乳がん:乳がんスクリーニングに使える人工知能
医学研究:サルモデルで結核感染を予防するワクチン戦略
細胞生物学:RIPK1キナーゼは炎症性疾患を防ぐ
細胞生物学:新しいヒト自己炎症性疾患
がん:代謝が黒色腫の転移を促す
分子生物学:αシヌクレインの凝集に関わる6種類のシャペロン