Nature ハイライト
Cover Story:がんのカタログ化:38種類のがんの全ゲノム塩基配列
Nature 578, 7793
今回、がん種横断的全ゲノム解析(PCAWG;Pan-Cancer Analysis of Whole Genomes)コンソーシアムは、38種類のがんにわたる2600例以上のがん組織とそれらに対応する正常組織の全ゲノムを対象とした総合解析について報告している。PCAWGの研究者たちは6報の論文で、がんゲノムの進化と構造の多様性を調べ、がんを駆動する遺伝的事象を再評価し、変異シグネチャーのカタログを提示している他、さまざまながん種の全ゲノムについて、構造の多様性の統合解析、進化の軌跡、トランスクリプトームのデータを報告している。これらの論文を総合すると、がんの遺伝的複雑性に関する新たな全体像とともに、腫瘍の発生を駆動する生物学的変化を調べるための貴重な情報資源が得られる。(PCAWG関連特設ページ
)2020年2月6日号の Nature ハイライト
惑星科学:彗星67Pにおける軌道に起因する水のサイクル
加速器物理学:高輝度ミューオンビーム
原子分子物理学:多価イオンによる量子計測
物性物理学:室温超伝導を求めて
材料科学:複合酸化物の積層
神経科学:神経回路の生化学的影響が社会的行動を駆動する
細胞生物学:ヒト脳発生のオルガノイドモデルには改善が必要か
微生物学:溶原性ファージがCRISPRの喪失を引き起こす
ウイルス学:潜伏中のSIVとHIVを再活性化する
がん:グリオブラストーマは自身のニューロン微小環境を作り直す
構造生物学:合成タンパク質の対称性