Nature ハイライト
Cover Story:正反対の南極環境:9000万年前に南極点付近が温帯雨林だったことを示す証拠
Nature 580, 7801
表紙は、約9000万年前に西南極大陸に存在した温帯雨林の想像図である。白亜紀の中頃は、過去1億4000万年間で最も温暖だった時期であり、そうした高い気温において極域に氷が存在し得たかどうかについて盛んに議論されている。今回J Klagesたちは、西南極大陸棚から得られた堆積シーケンスの分析結果を報告し、チューロニアン期からサントニアン期(9200万〜8300万年前)の西南極大陸に温帯雨林に似た生態系が存在したことを示している。この堆積物コアの特徴は、さまざまな花粉や胞子を含む泥岩基質に埋め込まれた、長さ3 mの化石化した根のネットワークである。この森林の気候を再構築するモデルからは、当時の南極大陸には氷がなく、大気中の二酸化炭素濃度が1120~1680 ppmと、現在の407 ppmよりずっと高かったことが示唆されている。
2020年4月2日号の Nature ハイライト
核物理学:原子核の鏡映非対称性の解明
量子物理学:浮揚したダイヤモンドのスピンと運動の結合
有機化学:化学反応の可能性のマッピング
有機化学:光によって形成される強力な還元触媒
海洋保全:南大洋の生態系の衛星追跡
がんゲノミクス:中国人男性の前立腺がんのゲノムアトラスとエピゲノムアトラス
発生生物学:ヒトの分節時計の特性解析
発生生物学:分節時計の特性解析
発生生物学:ヒトの分節時計のモデル化
細胞生物学:アポトーシス細胞の代謝物セクレトームが、周辺の細胞の遺伝子発現プログラムに影響を与える
胚形成:受精後のゲノム構造の動的変化