Nature ハイライト

Cover Story:視線:自動運転車の「視力」を高めるマルチチャネルライダー

Nature 581, 7807

ライダー(lidar)は、自動運転車の基盤技術で、自動車の「眼」として働く。ライダーは、物体にレーザー光を照射し、その反射パルスを測定することによって物体の距離と速度を算出する。このシステムを有効に機能させるには、太陽光などの光源からの干渉を遮断する必要がある。一般にこれはコヒーレント検出を用いて行われており、この検出では送信した光と反射光が混合されて反射光のドップラーシフトが分析される。しかし、この方法は、スケールアップが難しいことが分かっている。今回T Kippenbergたちは、フォトニックチップを用いたソリトンマイクロコムに基づくライダー装置を提示している。光源は周波数間隔が等しい鋭い線からなる広いスペクトルを放射し、これによって30の別個のチャネルにわたる並列測定結果が得られた。著者たちは、このシステムが小型で超並列かつ超高フレームレートのコヒーレントライダーシステムの基礎になる可能性があると示唆している。

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