Nature ハイライト
Cover Story:ロボット化学者:実験化学の自律的手法
Nature 583, 7815
化学実験室では自動化が進んでいるが、これまでは、ロボットアームと実験装置を連動させるために、特注の自動機器やインターフェースを必要とすることが多かった。今回A Cooperたちは、自動車組み立てラインで見られるような移動ロボットを、人間と共に湿式化学実験室で動作するよう改良し、人間の化学者と同じ機器を使えるようにできることを示している。彼らは、ポリマー光触媒の性能の向上を目的として、このロボットをプログラムした。このロボットは、8日間で688回の実験を自律的に行い、最初の配合より活性が6倍高い光触媒混合物を見いだした。このタスクは、人間が行えば数か月かかると思われる。この方法は、実験機器ではなく研究者を自動化することによって、化学実験室において多くの応用を見いだすことができる可能性がある。
2020年7月9日号の Nature ハイライト
ナノ科学:グラフェンにおける調整可能な相関
量子物理学:量子マイクロチップレット
環境科学:耕作地の風化の促進によるCO2除去の可能性とコスト
遺伝学:数万例の精子ゲノムを解読して減数分裂をより深く知る
がんの進化:発がん性物質により誘導された変異の損傷分離
ウイルス学:センザンコウは複数系統のコロナウイルスを保有している
ウイルス学:センザンコウにおけるSARS-CoV-2に近縁なウイルスの動態
コロナウイルス:SARS-CoVとSARS-CoV-2に交差反応性を示す中和抗体
免疫学:構造細胞は器官特異的な免疫応答を調節する
生化学:窮乏期のリボソーム