Nature ハイライト
遺伝学:数万例の精子ゲノムを解読して減数分裂をより深く知る
Nature 583, 7815
減数分裂の際には、染色体の乗換えによって相同染色体間での遺伝物質の交換が可能になる。このような組換え事象の研究は、技術的な制限のためにこれまで数百個程度の配偶子に限定されていた。S McCarrollたちは今回、数万例の精子ゲノムを同時に塩基配列解読できるSperm-seqという手法を開発している。彼らはこの手法を用いて、20人の精子ドナーから提供された3万1228個のヒト精子細胞のゲノムを解読した。これにより、染色体間、細胞間、ドナー間での組換えにおける変動を、これまでにない検出力で調べることができた。この研究は総合的に、染色体再編成が配偶子間や個体間で変動する程度や、このような変動の原因となる機構についての新たな知見をもたらす。
2020年7月9日号の Nature ハイライト
ナノ科学:グラフェンにおける調整可能な相関
量子物理学:量子マイクロチップレット
環境科学:耕作地の風化の促進によるCO2除去の可能性とコスト
遺伝学:数万例の精子ゲノムを解読して減数分裂をより深く知る
がんの進化:発がん性物質により誘導された変異の損傷分離
ウイルス学:センザンコウは複数系統のコロナウイルスを保有している
ウイルス学:センザンコウにおけるSARS-CoV-2に近縁なウイルスの動態
コロナウイルス:SARS-CoVとSARS-CoV-2に交差反応性を示す中和抗体
免疫学:構造細胞は器官特異的な免疫応答を調節する
生化学:窮乏期のリボソーム