Nature ハイライト
コロナウイルス:SARS-CoVとSARS-CoV-2に交差反応性を示す中和抗体
Nature 583, 7815
ウイルスを中和するモノクローナル抗体は、小分子薬やワクチンを開発する際の情報として役立つと考えられ、また予防や曝露後治療のための抗ウイルス戦略となる可能性がある。D Cortiたちは今回、2003年にSARSに感染し、回復した患者の記憶B細胞から単離されたヒトモノクローナル抗体について報告し、この抗体が受容体への結合と競合することなく、SARS-CoVとSARS-CoV-2を強力に交差中和することを明らかにしている。この抗体は、ウイルススパイクタンパク質上の異なる部位を標的とする第二の抗体と組み合わせると相乗的に働くことが分かった。これは、モノクローナル抗体の組み合わせが、中和活性の増強と同時に、中和抗体エスケープ変異体の出現を抑制するための効果的な戦略となる可能性を示唆している。
2020年7月9日号の Nature ハイライト
ナノ科学:グラフェンにおける調整可能な相関
量子物理学:量子マイクロチップレット
環境科学:耕作地の風化の促進によるCO2除去の可能性とコスト
遺伝学:数万例の精子ゲノムを解読して減数分裂をより深く知る
がんの進化:発がん性物質により誘導された変異の損傷分離
ウイルス学:センザンコウは複数系統のコロナウイルスを保有している
ウイルス学:センザンコウにおけるSARS-CoV-2に近縁なウイルスの動態
コロナウイルス:SARS-CoVとSARS-CoV-2に交差反応性を示す中和抗体
免疫学:構造細胞は器官特異的な免疫応答を調節する
生化学:窮乏期のリボソーム