Nature ハイライト

エレクトロニクス:超伝導ダイオード

Nature 584, 7821

ダイオードは、一方向には低い抵抗で、その逆方向には高い抵抗で電流を流す電子部品である。通常、ダイオードはp–n接合を形成する半導体材料で作られ、こうしたダイオードは、整流器や光検出器など、さまざまな電子機能の実現に用いることができる。今回、小野輝男(京都大学ほか)たちは、一方向にのみゼロ抵抗を示す、磁気的に制御可能な超伝導ダイオードを報告している。この効果は、複数の金属層からなる人工超格子で実現され、材料中で空間反転対称性と時間反転対称性が同時に破れることに起因する。今回のゼロ抵抗ダイオードは、低温でのエネルギー損失のない方向性電荷輸送を可能にするものであり、非散逸電子回路の構築に不可欠な部品である。

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