Nature ハイライト
エレクトロニクス:超伝導ダイオード
Nature 584, 7821
ダイオードは、一方向には低い抵抗で、その逆方向には高い抵抗で電流を流す電子部品である。通常、ダイオードはp–n接合を形成する半導体材料で作られ、こうしたダイオードは、整流器や光検出器など、さまざまな電子機能の実現に用いることができる。今回、小野輝男(京都大学ほか)たちは、一方向にのみゼロ抵抗を示す、磁気的に制御可能な超伝導ダイオードを報告している。この効果は、複数の金属層からなる人工超格子で実現され、材料中で空間反転対称性と時間反転対称性が同時に破れることに起因する。今回のゼロ抵抗ダイオードは、低温でのエネルギー損失のない方向性電荷輸送を可能にするものであり、非散逸電子回路の構築に不可欠な部品である。
2020年8月20日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:超伝導ダイオード
物性物理学:界面の圧電性と焦電性
材料科学:シリカエアロゲルの新たな方向性
気候科学:1900年以降の海水準上昇の原因の解明
生態学:ヒトが管理する生態系では人獣共通感染症の宿主がより多い
ゲノミクス:象徴的な爬虫類のゲノムアセンブリ
免疫学:細胞外タンパク質恒常性の調節因子
細胞生物学:ステロイドを介した器官間増殖制御における性的二型性
構造生物学:LPSセンサーの存在意義が明らかに