Nature ハイライト

幹細胞:骨髄における造血の視覚的地図

Nature 590, 7846

成体では、骨髄が造血の主要な部位である。造血幹細胞だけでなく、より運命拘束が進んだ前駆細胞も、骨髄においてそれらの機能を支える特殊化したニッチに存在することが知られている。D Lucasたちは今回、複数の蛍光レポーターを組み合わせて用い、骨髄系共通前駆細胞から、樹状細胞、単球、好中球まで、骨髄中のあらゆる骨髄細胞の視覚的地図を構築している。彼らはこれらの地図を用いて、骨髄前駆細胞は、分化に際し造血幹細胞ニッチから離れて、コロニー刺激因子1(CSF1)を分泌する類洞の特定のサブセットへと移動し、そこで単球や樹状細胞に分化することを明らかにした。この研究は、骨髄造血の詳細な地図を提供しており、骨髄の微小環境が造血系細胞系統樹に沿って細胞決定を調節する仕組みについての新しい手掛かりを示している。

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