Nature ハイライト
腫瘍生物学:NSDヒストンメチルトランスフェラーゼの構造と機能
Nature 590, 7846
ヒストンメチルトランスフェラーゼのNSDファミリーは発がんに関与するとされており、ヒストンH3のリシン36(H3K36)をジメチル化する。今回Z Wangたちは、モノヌクレオソームに結合したNSD2とNSD3のクライオ電子顕微鏡構造を決定している。NSD2またはNSD3の結合により、ヌクレオソームのリンカー領域近傍のDNAがほどけることから、H3K36に対するこれらの酵素の特異性が構造から説明される。著者たちは、NSD2とNSD3に生じるがんに関係する変異の影響を調べ、このような変異が触媒活性を高め、がん細胞増殖を促進するのにつながることを見いだした。
2021年2月18日号の Nature ハイライト
材料科学:フレキシブルなX線撮像
持続可能な化学:持続可能な原料から得られるリサイクル可能なプラスチック
気候科学:CFC-11の排出量が再び減少
植物生物学:バイオ燃料生産のためのゲノム情報資源
幹細胞:骨髄における造血の視覚的地図
微生物学:アクチノバクテリア類による抗生物質産生の詳細な分子基盤
エボラウイルス:抗エボラウイルス抗体レベルの増減
がん遺伝学:全ゲノム倍加はがん細胞の脆弱性となる
腫瘍生物学:NSDヒストンメチルトランスフェラーゼの構造と機能
腫瘍生物学:肺がんのドライバー遺伝子
構造生物学:膜の張力を強化する