Nature ハイライト
地球科学:大地震はどのように破壊するか
Nature 591, 7849
成熟した断層では、予想される静的強度よりはるかに低い応力レベルで地震が起こることが、観測によって示唆されている。これは、断層が、準静的には強いが地震の際には劇的に弱くなるとするか、継続的に弱いとすることで説明できる可能性がある。今回V Lambertたちは、数値シミュレーションを用いて、准準静的には強いが動的には弱い断層で起こる自己回復パルス状の破壊によって、巨大逆断層地震で見積もられるよりも大きな放射エネルギーが生じると予想されるが、継続的に弱い断層の亀裂状破壊は地震学的観測結果と矛盾しないことを示している。著者たちは、大地震は、自己回復パルスとして伝搬するのはまれであるか、それらによって放出されるエネルギーの見積もりが大きく過小評価されているかのどちらかであると結論付けている。
2021年3月11日号の Nature ハイライト
天体素粒子物理学:宇宙ニュートリノの高エネルギー素粒子物理学
物理学:重力のかけら
計算科学:実時間計算機合成ホログラフィー
地球科学:大地震はどのように破壊するか
古代DNA:100万年前の古代DNA
幹細胞:マクロファージは組織修復中に筋幹細胞を手助けする
植物科学:TORキナーゼと転写調節
SARS-CoV-2:SARS-CoV-2スパイク内の切断部位は病原性に関与する
免疫学:腫瘍微小環境中の制御性T細胞に特異的な代謝チェックポイント
分子生物学:レトロトランスポゾンを制御する
構造生物学:隠されたチャネルを持つ輸送体