Nature ハイライト
幹細胞:マクロファージは組織修復中に筋幹細胞を手助けする
Nature 591, 7849
骨格筋には、衛星細胞と呼ばれる静止状態の幹細胞のプールが存在する。これらの細胞は組織修復に不可欠であり、創傷の際には再活性化されて増殖し、新たな筋繊維の形成を可能にする。今回P Currieたちは、マクロファージのサブセットが創傷後に筋肉に誘導され、衛星細胞の増殖を誘発することを明らかにしている。これらのマクロファージはサイトカインの1つであるニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT)を分泌し、これが衛星細胞上のCCR5受容体に結合することで、増殖が誘発される。以上より、この研究は、組織修復におけるマクロファージの役割の1つを明らかにし、マクロファージが成体組織幹細胞の一過的なニッチとして働き得ることを示している。
2021年3月11日号の Nature ハイライト
天体素粒子物理学:宇宙ニュートリノの高エネルギー素粒子物理学
物理学:重力のかけら
計算科学:実時間計算機合成ホログラフィー
地球科学:大地震はどのように破壊するか
古代DNA:100万年前の古代DNA
幹細胞:マクロファージは組織修復中に筋幹細胞を手助けする
植物科学:TORキナーゼと転写調節
SARS-CoV-2:SARS-CoV-2スパイク内の切断部位は病原性に関与する
免疫学:腫瘍微小環境中の制御性T細胞に特異的な代謝チェックポイント
分子生物学:レトロトランスポゾンを制御する
構造生物学:隠されたチャネルを持つ輸送体