Nature ハイライト

SARS-CoV-2:SARS-CoV-2スパイク内の切断部位は病原性に関与する

Nature 591, 7849

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質には、宿主細胞のプロテアーゼであるフリンによって認識・切断されるアミノ酸配列が含まれている。このフリン切断モチーフを欠失させると、SARS-CoV-2の細胞間融合能が阻害されることが分かっている。今回V Menacheryたちは、このフリン切断部位を欠損したSARS-CoV-2変異株を作製した。この欠失は、スパイクタンパク質の切断を減少させるが、Vero細胞とCalu-3細胞では複製に対して対照的な効果を示した。しかしこの欠失は、in vivoでは病原性を低下させるようであり、この欠失変異株がハムスターやマウスで引き起こす疾患は比較的軽度であった。

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