Nature ハイライト
SARS-CoV-2:SARS-CoV-2スパイク内の切断部位は病原性に関与する
Nature 591, 7849
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質には、宿主細胞のプロテアーゼであるフリンによって認識・切断されるアミノ酸配列が含まれている。このフリン切断モチーフを欠失させると、SARS-CoV-2の細胞間融合能が阻害されることが分かっている。今回V Menacheryたちは、このフリン切断部位を欠損したSARS-CoV-2変異株を作製した。この欠失は、スパイクタンパク質の切断を減少させるが、Vero細胞とCalu-3細胞では複製に対して対照的な効果を示した。しかしこの欠失は、in vivoでは病原性を低下させるようであり、この欠失変異株がハムスターやマウスで引き起こす疾患は比較的軽度であった。
2021年3月11日号の Nature ハイライト
天体素粒子物理学:宇宙ニュートリノの高エネルギー素粒子物理学
物理学:重力のかけら
計算科学:実時間計算機合成ホログラフィー
地球科学:大地震はどのように破壊するか
古代DNA:100万年前の古代DNA
幹細胞:マクロファージは組織修復中に筋幹細胞を手助けする
植物科学:TORキナーゼと転写調節
SARS-CoV-2:SARS-CoV-2スパイク内の切断部位は病原性に関与する
免疫学:腫瘍微小環境中の制御性T細胞に特異的な代謝チェックポイント
分子生物学:レトロトランスポゾンを制御する
構造生物学:隠されたチャネルを持つ輸送体