Nature ハイライト
構造生物学:隠されたチャネルを持つ輸送体
Nature 591, 7849
グルタミン酸は正常な脳機能に必要な神経伝達物質で、その濃度は興奮性グルタミン酸輸送体により維持されている。これらの輸送体はまた、チャネルを通して塩素イオンを輸送するが、この2つ目の役割については解明がほとんど進んでいない。今回R Ryanたちは、グルタミン酸輸送体の開いたチャネルを持つ構造を捕捉し、クライオ電子顕微鏡法を用いて、このチャネルが輸送サイクルの進行中に形成されることを示している。形成される水性の空洞によって塩素イオンの透過が可能となる。この経路とそれを調節するゲートは、多くの種のグルタミン酸輸送体にわたって保存されている。
2021年3月11日号の Nature ハイライト
天体素粒子物理学:宇宙ニュートリノの高エネルギー素粒子物理学
物理学:重力のかけら
計算科学:実時間計算機合成ホログラフィー
地球科学:大地震はどのように破壊するか
古代DNA:100万年前の古代DNA
幹細胞:マクロファージは組織修復中に筋幹細胞を手助けする
植物科学:TORキナーゼと転写調節
SARS-CoV-2:SARS-CoV-2スパイク内の切断部位は病原性に関与する
免疫学:腫瘍微小環境中の制御性T細胞に特異的な代謝チェックポイント
分子生物学:レトロトランスポゾンを制御する
構造生物学:隠されたチャネルを持つ輸送体