Nature ハイライト
生化学:神経伝達物質がその受容体を介してシグナルを送る仕組み
Nature 595, 7867
Gタンパク質共役受容体のCファミリーに属する受容体は二量体で大きな細胞外ドメインを持っていて、より大きなファミリーに含まれるGタンパク質共役受容体の大部分とは異なっている。このような受容体の相互作用やGタンパク質を介したシグナル伝達の仕組みは、分子レベルではほとんど解明されていない。今回G Skiniotisたちは、中枢神経系の主要な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸によって活性化されてシグナル伝達を行うGタンパク質共役代謝型グルタミン酸受容体について、複数の構造を明らかにしている。これらの構造から、このような受容体が形成する二量体が1個のGタンパク質とだけ共役する仕組みが示され、非対称なシグナル伝達がどのようにして起こるのか、その基盤が明らかになった。
2021年7月15日号の Nature ハイライト
惑星科学:若いスーパージュピターの大気に濃縮した13CO
ナノスケールデバイス:量子誤り訂正の第一歩
気候科学:危機に瀕するアマゾン川流域の炭素シンク
生物地球化学:炭素循環とケイ素循環の変遷
進化学:堆積物中の古代DNAから得られた、デニソワ洞窟のヒト族と動物相に関する知見
神経筋疾患:先天性筋無力症の新たな治療法
微生物学:マイクロバイオームの大規模メタボロミクス
コロナウイルス:SARS-CoV-2に対する長期生存骨髄形質細胞
コロナウイルス:ワクチン接種により、SARS-CoV-2感染で誘導された抗体は増強される
がん:臨床的な尿路上皮がんのctDNAプロファイリング
生化学:神経伝達物質がその受容体を介してシグナルを送る仕組み