Nature ハイライト
生態学:ハナバチの死亡率に対する複数のストレッサーの相乗的影響
Nature 596, 7872
ハナバチ個体群の世界的な減少が食料安全保障と野生生態系を脅かしている。こうした個体群の減少は、農薬、寄生虫、栄養的ストレッサーの相互作用的影響によって促進されていると考えられているが、そうした相互作用を調べた研究ではそれぞれ異なる結果が得られている。今回H Siviterたちは、農薬、寄生虫、栄養的ストレッサーが、ハナバチの健康に及ぼす相互作用的影響のメタ解析を行った。その結果、ハナバチが野外の現実的なレベルで複数の農薬に曝露された場合に、ハナバチの死亡率に「相乗的影響(ストレッサーの組み合わせによる影響が、想定される相加的影響を大きく上回る)」が認められることが分かった。一方、ハナバチが寄生虫や栄養的ストレッサーに曝露された場合の相互作用は、相加的期待値を超えるものではなかった。農薬への曝露の相加的影響を想定した環境リスク評価計画は、ハナバチの死亡率に対する人為的ストレッサーの影響を過小評価している可能性がある。
2021年8月19日号の Nature ハイライト
原子物理学:二次元に拡張された超固体
材料科学:正二十面体準結晶を設計する
材料科学:過渡的にゴム状になる高分子ガラス表面
気候科学:CO2の一時的な大気貯留の価格付けによる正味のカーボンネガティブ経済の促進
生態学:ハナバチの死亡率に対する複数のストレッサーの相乗的影響
ウィメンズ・ヘルス:子宮平滑筋腫に関連するH2A.Zローディングの減少
コロナウイルス:BNT162b2ワクチンの初回および追加免疫接種に対する免疫応答についてのシステムレベルの解析
コロナウイルス:SARS-CoV-2ワクチンBNT162b2接種後に生じる免疫応答の年齢に応じた違い
コロナウイルス:Ad26.COV2.SワクチンはSARS-CoV-2の懸念される変異株であるベータ株に対して防御を誘導する
分子生物学:BRCA1–BARD1のヌクレオソームへの結合