Nature ハイライト
分子生物学:BRCA1–BARD1のヌクレオソームへの結合
Nature 596, 7872
損傷を受けたDNAの相同組換えによる修復では、早い段階でE3リガーゼのRNF168によってH2A(X)のN末端がユビキチン化される。この修飾の結果、別のE3リガーゼ複合体BRCA1–BARD1が動員されるが、その詳細はこれまで分かっていなかった。今回R ChapmanのグループとG Merのグループが、BRCA1–BARD1複合体が自身のBRCTドメイン中のモチーフ(BUDR)を介して、H2A(X)のK13とK15のモノユビキチン化を認識することを明らかにしたている。BARD1のアンキリンドメインが非メチル化ヒストンH4K20を認識するとともに、この複合体がヌクレオソーム粒子に結合することで高い結合親和性が達成され、BARD1はH2A(X)のC末端をユビキチン化できるようになる。つまり、H2A(X)の一方の領域にあるユビキチンへの結合が、反対側の末端の修飾を促進するのである。
2021年8月19日号の Nature ハイライト
原子物理学:二次元に拡張された超固体
材料科学:正二十面体準結晶を設計する
材料科学:過渡的にゴム状になる高分子ガラス表面
気候科学:CO2の一時的な大気貯留の価格付けによる正味のカーボンネガティブ経済の促進
生態学:ハナバチの死亡率に対する複数のストレッサーの相乗的影響
ウィメンズ・ヘルス:子宮平滑筋腫に関連するH2A.Zローディングの減少
コロナウイルス:BNT162b2ワクチンの初回および追加免疫接種に対する免疫応答についてのシステムレベルの解析
コロナウイルス:SARS-CoV-2ワクチンBNT162b2接種後に生じる免疫応答の年齢に応じた違い
コロナウイルス:Ad26.COV2.SワクチンはSARS-CoV-2の懸念される変異株であるベータ株に対して防御を誘導する
分子生物学:BRCA1–BARD1のヌクレオソームへの結合