Nature ハイライト
コロナウイルス:Ad26.COV2.SワクチンはSARS-CoV-2の懸念される変異株であるベータ株に対して防御を誘導する
Nature 596, 7872
J YuとD Barouchたちは今回、現在使われているジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチンAd26.COV2.Sが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の懸念される変異株であるベータ株(別名B.1.351;南アフリカで最初に見つかった)に対して誘導する防御効果を、非ヒト霊長類で検討した結果について報告している。Ad26.COV2.Sは、抗体の能力は低いものの、複数の変異株に対して同等のスパイク特異的な細胞性免疫応答を誘導した。アカゲザル(Macaca mulatta)にSARS-CoV-2の原株であるWA1/2020分離株あるいはベータ株によるチャレンジを行うと、このワクチンによってロバストな防御が得られたが、ベータ株でのチャレンジ後の方が、ブレイクスルーウイルスのレベルが高いことが観察された。しかし、ベータ株に対するウイルス中和の低下は中程度(4.5分の1)であり、このワクチンは防御効果を持っている。
2021年8月19日号の Nature ハイライト
原子物理学:二次元に拡張された超固体
材料科学:正二十面体準結晶を設計する
材料科学:過渡的にゴム状になる高分子ガラス表面
気候科学:CO2の一時的な大気貯留の価格付けによる正味のカーボンネガティブ経済の促進
生態学:ハナバチの死亡率に対する複数のストレッサーの相乗的影響
ウィメンズ・ヘルス:子宮平滑筋腫に関連するH2A.Zローディングの減少
コロナウイルス:BNT162b2ワクチンの初回および追加免疫接種に対する免疫応答についてのシステムレベルの解析
コロナウイルス:SARS-CoV-2ワクチンBNT162b2接種後に生じる免疫応答の年齢に応じた違い
コロナウイルス:Ad26.COV2.SワクチンはSARS-CoV-2の懸念される変異株であるベータ株に対して防御を誘導する
分子生物学:BRCA1–BARD1のヌクレオソームへの結合