Nature ハイライト

免疫学:抗体の成熟がDNA修復を逃れる仕組み

Nature 600, 7888

免疫グロブリンをコードする遺伝子は、抗原特異的な抗体を産生するために、変異を導入する過程を経る。これらの変異はデオキシシチジン(dC)からデオキシウラシル(dU)への脱アミノ化によって起こるが、このような状況においてdUをdCへ戻すDNA修復経路が働かないようになっている仕組みは、これまで分かっていなかった。今回A MartinたちのグループとB Reina-San-Martinたちのグループはそれぞれ、オーファンタンパク質であるFAM72Aを単離し、このタンパク質が、ウラシルをDNAから除去するDNAグリコシラーゼUNG2のタンパク質レベルと活性を抑制する原因であることを明らかにしている。多くのがんがFAM72Aを過剰に発現していることを考えると、FAM72Aが変異量を増加させている可能性があり、この知見はより幅広い意味を持つ。

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