Nature ハイライト
発生生物学:ヒトの原腸形成を垣間見る
Nature 600, 7888
原腸形成は、初期胚(胞胚)が3つの胚葉を持つ胚(原腸胚)に変化する、初期胚発生における決定的な瞬間である。ヒトでは、原腸形成は受精後約3週間で起こる。ヒト胚のin vitroでの培養は、最近まで14日間に制限されていたため、ヒトの原腸形成についての知識は非常に限られていた。S SrinivasとA Scialdoneたちは今回、人工妊娠中絶後に得られた、原腸形成中の1つのヒト胚の解析結果について報告している。この胚の細胞構成および分子構成を、単一細胞RNA塩基配列解読を用いて解析することで、ヒトの原腸形成についての独特な手掛かりが得られた。総合的にこの研究は、ヒトの初期発生についての我々の理解を深めるだけでなく、この分野の非常に有益な参照情報にもなる。
2021年12月9日号の Nature ハイライト
光物理学:発熱のないフロケエンジニアリング
材料科学:皮膚のような高速電子デバイス
気候科学:二酸化炭素肥沃化が緑化を増大させる
社会科学:オンラインコミュニティーの社会的次元に沿った定量化
神経科学:小脳の飽和化ネットワークの特定
神経科学:ルール破りのヒト皮質ニューロン
発生生物学:ヒトの原腸形成を垣間見る
微生物学:物理的老化過程としての細菌の持続生残性
がん:肺がんの新規発がん融合遺伝子
免疫学:抗体の成熟がDNA修復を逃れる仕組み
生化学:N-デグロン経路の分子レベルでの複雑さ