Nature ハイライト
生化学:N-デグロン経路の分子レベルでの複雑さ
Nature 600, 7888
N-デグロン経路は、N末端に不安定化の要因となるアミノ酸残基(N-デグロン)を持つタンパク質を標的として、プロテアソームに依存した分解へと送り込む。酵母では、この経路を担当する重要な仲介役分子が、E3リガーゼ酵素Ubr1とE2ユビキチン結合酵素Ubc2である。今回M Zhaoたちは、化学的手法とクライオ電子顕微鏡法とを組み合わせて用いることにより、完全長Ubr1–Ubc2複合体が仲介するユビキチン化の開始段階と伸長段階に当たる2種類の高分解能構造を明らかにし、これらの構造から得られた反応機構についての知見を報告している。
2021年12月9日号の Nature ハイライト
光物理学:発熱のないフロケエンジニアリング
材料科学:皮膚のような高速電子デバイス
気候科学:二酸化炭素肥沃化が緑化を増大させる
社会科学:オンラインコミュニティーの社会的次元に沿った定量化
神経科学:小脳の飽和化ネットワークの特定
神経科学:ルール破りのヒト皮質ニューロン
発生生物学:ヒトの原腸形成を垣間見る
微生物学:物理的老化過程としての細菌の持続生残性
がん:肺がんの新規発がん融合遺伝子
免疫学:抗体の成熟がDNA修復を逃れる仕組み
生化学:N-デグロン経路の分子レベルでの複雑さ