Nature ハイライト
気候:炭素循環の歴史と気候変動
Nature 488, 7413
炭酸塩補償深度は、炭酸塩が溶存する海洋の深さのことであり、大気中に存在する二酸化炭素の量を反映し、地質学的な時間スケールでの気候の手がかりを与える。今回、赤道太平洋における炭酸塩補償深度を過去5300万年間にわたって詳細に再構築した結果が示されている。この補償深度は海洋の寒冷化を記録しており、新生代の5600万〜5300万年前では3.0〜3.5 kmだったが、現在では4.6 kmと深くなっていることがわかった。約4600万〜3400万年前の炭酸塩補償深度に観測された急激な変動は、風化作用と海底へ供給される有機炭素の種類の変化によって、ある程度は説明できる可能性がある。
2012年8月30日号の Nature ハイライト
物理:X線と光の混合を実現
気候:炭素循環の歴史と気候変動
環境:海洋の健全度を測る指標
微生物学:低用量の抗生物質で体重が増える仕組み
材料:原子1個分の厚さの集積回路を目指して
気候:南極大陸のメタン貯蔵庫
医学:自閉症の新しいマウスモデル
再生医学:iPS細胞作りの第一段階
免疫:インフラマソーム活性化の調節
免疫:T細胞は肺を通って脳へと侵入する