Nature ハイライト
医学:自閉症の新しいマウスモデル
Nature 488, 7413
結節性硬化症は、腫瘍を生じるまれな遺伝性疾患で、TSC1あるいはTSC2遺伝子の変異によって引き起こされる。この疾患の患者には、小脳の病変を伴う自閉症スペクトラム障害も見られることが多い。臨床研究からは、自閉症の病因への小脳機能不全の関与が示唆されている。そこで、M Sahinたちはマウスで小脳のTsc1遺伝子を破壊し、機能にどのような結果が生じるかを調べた。この変異マウスでは、自閉症患者に共通する病理学的特徴、すなわちプルキンエ細胞数の減少とニューロンのストレスマーカーの上昇が見られ、小脳プルキンエ細胞のTsc1を欠損するマウスは自閉症関連行動を示した。変異マウスにmTOR阻害剤のラパマイシンを投与すると、小脳の病変および行動的特徴は共に改善される。
2012年8月30日号の Nature ハイライト
物理:X線と光の混合を実現
気候:炭素循環の歴史と気候変動
環境:海洋の健全度を測る指標
微生物学:低用量の抗生物質で体重が増える仕組み
材料:原子1個分の厚さの集積回路を目指して
気候:南極大陸のメタン貯蔵庫
医学:自閉症の新しいマウスモデル
再生医学:iPS細胞作りの第一段階
免疫:インフラマソーム活性化の調節
免疫:T細胞は肺を通って脳へと侵入する