Nature ハイライト
再生医学:iPS細胞作りの第一段階
Nature 488, 7413
体細胞が「山中因子」により再プログラム化されて誘導多能性幹(iPS)細胞を生じる際の、初期のエピジェネティックな機構はわかっていない。今回A Abeliovichたちの研究グループは、 細胞の再プログラム化を行ってから4日目までに、2つのDNA修飾酵素Parp1とTet2が、NanogやEsrrbなどの内在性の多能性遺伝子座へ動員され、これが修飾されたシトシン塩基5mCと5hmCの局所的な蓄積につながることを明らかにしている。Parp1とTet2は、別々だが重複部分もある機構によって働き、5hmC/5mC比を調節していて、この比が転写活性と相関する。これらの知見は、5hmCがエピジェネティックな再プログラム化においてさらに別の役割を持つことを示唆している。
2012年8月30日号の Nature ハイライト
物理:X線と光の混合を実現
気候:炭素循環の歴史と気候変動
環境:海洋の健全度を測る指標
微生物学:低用量の抗生物質で体重が増える仕組み
材料:原子1個分の厚さの集積回路を目指して
気候:南極大陸のメタン貯蔵庫
医学:自閉症の新しいマウスモデル
再生医学:iPS細胞作りの第一段階
免疫:インフラマソーム活性化の調節
免疫:T細胞は肺を通って脳へと侵入する