Nature ハイライト
免疫:インフラマソーム活性化の調節
Nature 488, 7413
インフラマソームは、自然免疫にかかわる細胞内オリゴマータンパク質複合体であり、肥満、2型糖尿病、アテローム性動脈硬化、痛風、敗血症や腸炎の病因と関連付けられてきた。今回、二本鎖RNA依存性プロテインキナーゼ(PKR)がインフラマソーム活性化の重要な調節因子であることが見いだされた。さまざまな刺激に応じて起こるPKRとNod様受容体NLRP3との会合、カスパーゼ1の活性化、そしてサイトカインであるインターロイキン(IL)-1βやIL-18、HMGB1の放出には、PKRの自己リン酸化が必要である。今回の結果により、炎症が起こっている際のインフラマソーム活性を、広範な免疫障害を起こすことなく阻害する治療薬が設計される可能性が出てきた。
2012年8月30日号の Nature ハイライト
物理:X線と光の混合を実現
気候:炭素循環の歴史と気候変動
環境:海洋の健全度を測る指標
微生物学:低用量の抗生物質で体重が増える仕組み
材料:原子1個分の厚さの集積回路を目指して
気候:南極大陸のメタン貯蔵庫
医学:自閉症の新しいマウスモデル
再生医学:iPS細胞作りの第一段階
免疫:インフラマソーム活性化の調節
免疫:T細胞は肺を通って脳へと侵入する