Nature ハイライト

材料:原子1個分の厚さの集積回路を目指して

Nature 488, 7413

パターニング再成長法で作製した原子1個分の厚さの薄膜。導電性グラフェン(灰色)と窒化ホウ素(紫と青色)との間には明確な境界がある。
パターニング再成長法で作製した原子1個分の厚さの薄膜。導電性グラフェン(灰色)と窒化ホウ素(紫と青色)との間には明確な境界がある。 | 拡大する

Credit: Yan Liang

今回、導電性のグラフェンと絶縁性の六方晶窒化ホウ素(h-BN)を組み合わせて原子1個分の厚さの薄膜を作製する新技術が報告されている。この作製方法は、パターニング再成長(patterned regrowth)と呼ばれ、この方法で作製された薄膜のグラフェン領域とh-BN領域のヘテロ接合は明確な境界であるため、パターニングされた各ドメインの異なる電気的性質は保持されるので、電気的に分離された二次元連続シート状のグラフェンデバイスを作製できる。この方法で作製される素子は、機械的柔軟性と光学的透明性が維持される可能性が高いので、これをさまざまな基板に転写すれば、透明な折り曲げ自在の電子機器を作製できる。このシートに二次元半導体材料を導入できれば、現代集積回路に不可欠な3つの構成要素(絶縁体、金属、半導体)がそろうことになる。

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