Nature ハイライト
材料:原子1個分の厚さの集積回路を目指して
Nature 488, 7413
今回、導電性のグラフェンと絶縁性の六方晶窒化ホウ素(h-BN)を組み合わせて原子1個分の厚さの薄膜を作製する新技術が報告されている。この作製方法は、パターニング再成長(patterned regrowth)と呼ばれ、この方法で作製された薄膜のグラフェン領域とh-BN領域のヘテロ接合は明確な境界であるため、パターニングされた各ドメインの異なる電気的性質は保持されるので、電気的に分離された二次元連続シート状のグラフェンデバイスを作製できる。この方法で作製される素子は、機械的柔軟性と光学的透明性が維持される可能性が高いので、これをさまざまな基板に転写すれば、透明な折り曲げ自在の電子機器を作製できる。このシートに二次元半導体材料を導入できれば、現代集積回路に不可欠な3つの構成要素(絶縁体、金属、半導体)がそろうことになる。
2012年8月30日号の Nature ハイライト
物理:X線と光の混合を実現
気候:炭素循環の歴史と気候変動
環境:海洋の健全度を測る指標
微生物学:低用量の抗生物質で体重が増える仕組み
材料:原子1個分の厚さの集積回路を目指して
気候:南極大陸のメタン貯蔵庫
医学:自閉症の新しいマウスモデル
再生医学:iPS細胞作りの第一段階
免疫:インフラマソーム活性化の調節
免疫:T細胞は肺を通って脳へと侵入する