Nature ハイライト
免疫:T細胞は肺を通って脳へと侵入する
Nature 488, 7413
免疫細胞がどのようにして脳に侵入するのかという問題は、中枢神経系(CNS)の生理学的および病理学的過程の解明に非常に重要である。今回、病気を引き起こすエフェクターT細胞の脳への侵入を可能にする機序が報告された。実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のラット養子移入モデルで、脳炎誘発性のT細胞は肺に一時的に定着した後にCNSに集積する。こうしたT細胞は、CNSまで移動していく途中で遺伝子発現プロファイルと機能的性質を再プログラム化して、最終的に血液脳関門を越えることができるようになる。肺は外部環境と直接接触しているので、宿主防御に関係する免疫細胞にとっての理にかなった移行先であり、おそらくは自己免疫性細胞が発生する際のニッチにもなっていると考えられる。
2012年8月30日号の Nature ハイライト
物理:X線と光の混合を実現
気候:炭素循環の歴史と気候変動
環境:海洋の健全度を測る指標
微生物学:低用量の抗生物質で体重が増える仕組み
材料:原子1個分の厚さの集積回路を目指して
気候:南極大陸のメタン貯蔵庫
医学:自閉症の新しいマウスモデル
再生医学:iPS細胞作りの第一段階
免疫:インフラマソーム活性化の調節
免疫:T細胞は肺を通って脳へと侵入する