Nature ハイライト
進化:歯の発生から進化をたどる
Nature 512, 7512
進化は従来、時間経過につれて変化する連続的な成体形態として表され、歯は考古学者が自由に利用できる最良、場合によっては唯一の証拠品となる場合が多い。そのため歯の形質は、化石種の類縁関係を決定するのに広く利用されている。今回J Jernvallたちは、発生生物学の手法を使って、過去5000万年にわたる齧歯類の歯の進化を再現した。モルフォゲンのエクトジスプラシンを産生できない変異のあるマウスでは、基本的な形態の歯を持つようになる。変異体の歯の外植片に少量のエクトジスプラシンを添加すると、齧歯類の歯で進化的時間にわたって起こった既知の形態変化が再現された。著者たちの構築した歯の発生の計算モデルに実装されたインターフェース(ToothMaker)は、種の類縁関係を解明するための新しい手段となる。
2014年8月7日号の Nature ハイライト
生態学:気候に対する植物の生産力の応答
進化:歯の発生から進化をたどる
構造生物学:サリドマイドの二通りの作用機構
宇宙:Iax型超新星の前駆天体
量子物理学:力を得つつある量子シミュレーション
免疫:インフラマソームに関係する関節リウマチモデル
医学:HIV1リザーバーは早期に形成される
がん:大腸がんのトランスクリプトームの特徴
分子生物学:胚発生におけるエンハンサー活性