Nature ハイライト
宇宙:Iax型超新星の前駆天体
Nature 512, 7512
SN 2012Zは、リック天文台超新星探査(Lick Observatory Supernova Search)で2012年1月29日に発見されたIax型超新星である。Iax型超新星は、「ミニ超新星」と呼ばれることもあり、最初は一部のIa型超新星に分光学的に類似しているが、時間とともに違いが大きくなり、エネルギーがはるかに弱く暗いものとなる。何がIax型超新星爆発のきっかけとなるのかはよく分かっていない。今回、SN 2012Zのホスト銀河であるNGC 1309の深観測によって前駆天体が見つかったことが報告されている。この観測結果は、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて得られ、爆発前の超新星の位置を含んでいる。可視光でのその特性と、ヘリウム新星であるとも座V445との類似性から、SN 2012Zはおそらく、ヘリウム星である伴星からの降着を受けている白色矮星の爆発であると考えられる。
2014年8月7日号の Nature ハイライト
生態学:気候に対する植物の生産力の応答
進化:歯の発生から進化をたどる
構造生物学:サリドマイドの二通りの作用機構
宇宙:Iax型超新星の前駆天体
量子物理学:力を得つつある量子シミュレーション
免疫:インフラマソームに関係する関節リウマチモデル
医学:HIV1リザーバーは早期に形成される
がん:大腸がんのトランスクリプトームの特徴
分子生物学:胚発生におけるエンハンサー活性