Nature ハイライト
量子物理学:力を得つつある量子シミュレーション
Nature 512, 7512
多くの量子現象は複雑過ぎて、従来型のコンピューターではモデル化できない。そのため、簡単で制御可能な量子系を用いてより複雑な系をモデル化する量子シミュレーションが、実行可能な代案として登場してきた。今回、A Wilsonたちが、2個の捕捉イオンを使ってスピン–スピン相互作用を模擬できる、量子もつれの新しい制御可能なスキームについて報告している。おそらく数十個のイオンの配列に、この手法を取り入れてさらに開発を行えば、量子ホール効果のようなエキゾチックな凝縮物質現象の量子シミュレーションを達成できる程度にまで強力になる可能性がある。
2014年8月7日号の Nature ハイライト
生態学:気候に対する植物の生産力の応答
進化:歯の発生から進化をたどる
構造生物学:サリドマイドの二通りの作用機構
宇宙:Iax型超新星の前駆天体
量子物理学:力を得つつある量子シミュレーション
免疫:インフラマソームに関係する関節リウマチモデル
医学:HIV1リザーバーは早期に形成される
がん:大腸がんのトランスクリプトームの特徴
分子生物学:胚発生におけるエンハンサー活性