Nature ハイライト

がん:大腸がんのトランスクリプトームの特徴

Nature 512, 7512

大腸がんでの腫瘍発生に関係するトランスクリプトームの変化と遺伝子調節状況の変化の全体像が報告された。大腸がん患者103人に由来する腫瘍標品とそれにマッチする正常粘膜標品のRNA塩基配列解読が行われ、それに加えて対立遺伝子特異的な発現が調べられ、生殖系列の遺伝子型は腫瘍でも対立遺伝子発現の重要な決定因子であることが明らかになり、大腸がんで過剰な体細胞性シス調節作用を持つ、つまりがんのドライバーの役割を果たすと考えられる71個の遺伝子が見つかった。新しい発現量的形質座位(eQTL)も明らかにされ、その36%が大腸がんに限定されることが分かった。さらに別の証拠からも、腫瘍特異的eQTL遺伝子が生殖系列由来の調節性ドライバーとなっていることが示された。

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