Nature ハイライト
古気候学:過去の気候を示す保存された花粉
Nature 554, 7690
数十年に及ぶ研究にもかかわらず、完新世(過去1万1700年間)における気候の変化傾向についてはまだ議論が積み重ねられている。例えば、日射の既知の変化を強制力として与えた気候モデルは温暖化をシミュレートする傾向があるのに、海洋記録などの代理指標を用いた再構築結果は、産業革命後の急速な温暖化の前に、後期完新世にわたって寒冷化したことを示すことが多い。今回J Marsicekたちは、北米とヨーロッパで得られた広範な花粉記録を再解析して、完新世は温暖化傾向にあることを示している。これは、気候モデルのシミュレーション結果と一致する。寒冷化の証拠は、全球ではなく、北大西洋域に限定されているようである。
2018年2月1日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:再生するプラナリアのゲノム再解読
天文学:白色矮星のコア
材料科学:電子の届く距離
工学:さまざまな様式で移動できるロボット
有機化学:カルビン等価体を合成するための触媒的手法
古気候学:過去の気候を示す保存された花粉
人類学:アフリカを出てアジアへ
発生生物学:頭蓋顔面発生におけるRNAに関連した調節
海洋ウイルス学:海の微生物の消失要因
分子生物学:ミトコンドリアでの翻訳に葉酸が果たす役割