Nature ハイライト
天文学:銀河系中心にある多くのブラックホール
Nature 556, 7699
あらゆる大銀河の中心近傍にある超大質量ブラックホールは、惑星質量ブラックホールの集団に取り囲まれていることがシミュレーションから予測されている。しかし、そうしたブラックホールは、天の川銀河(銀河系)の中心ではこれまで見つかっていない。ブラックホールを含む低質量のX線連星系は、単一ブラックホールの代理指標である。今回C Haileyたちは、銀河系の中心1パーセクの領域にそうした連星系を12個発見したことを報告している。彼らは、こうした観測結果から推定して、銀河系の中心1パーセクの領域に存在するそうした連成系の総数は百個単位であり、孤立したブラックホールの数ははるかに多いと結論付けている。しかし、今回の研究では、近接する伴星からの降着を通してミリ秒パルサーとなった回転する中性子星からなる集団(その数はX線連星系よりも少ない)の寄与は排除できてはいない。
2018年4月5日号の Nature ハイライト
物性物理学:ねじれグラフェンが電子の相互作用を強くする
構造生物学:RAGAに作用するGTPアーゼ活性化タンパク質を抑制する
天文学:銀河系中心にある多くのブラックホール
材料科学:結晶の誕生を観察する
水文学:河川工事によってミシシッピ川の増水が悪化する
微生物学:持続生残細菌に効く薬剤
免疫学:イタコン酸の抗炎症効果
構造生物学:インスリンが結合したインスリン受容体の構造
構造生物学:マウス二孔型チャネルの構造