Nature ハイライト
微生物学:持続生残細菌に効く薬剤
Nature 556, 7699
持続生残細菌(persister)は、致死性の抗生物質や他のストレスを生き延びることのできる細胞亜集団である。これらの細菌は、従来の治療薬で死滅させられないことから、抗菌剤治療で大きな難題となっている。E Mylonakisたちは今回、膜を破壊することで増殖中のMRSAと持続生残性のMRSAを殺菌できるレチノイド化合物を開発した。今回彼らは、これらの化合物の1つで細胞毒性プロファイルを改良し、この化合物が慢性MRSA感染のマウスモデルで治療効果を持つことを示した。これらの抗生物質を臨床治療薬候補へと近づけるためには、さらなる開発による安全域の改善が必要である。
2018年4月5日号の Nature ハイライト
物性物理学:ねじれグラフェンが電子の相互作用を強くする
構造生物学:RAGAに作用するGTPアーゼ活性化タンパク質を抑制する
天文学:銀河系中心にある多くのブラックホール
材料科学:結晶の誕生を観察する
水文学:河川工事によってミシシッピ川の増水が悪化する
微生物学:持続生残細菌に効く薬剤
免疫学:イタコン酸の抗炎症効果
構造生物学:インスリンが結合したインスリン受容体の構造
構造生物学:マウス二孔型チャネルの構造