Nature ハイライト
構造生物学:マウス二孔型チャネルの構造
Nature 556, 7699
二孔型チャネル(TPC)は細胞小器官の電位依存性イオンチャネルで、動物と植物の両方で広く発現されている。哺乳類では、TPC1とTPC2がエンドリソソーム系の生理機能を調節している。今回Y Jiangたちはクライオ(極低温)電子顕微鏡法を使って、ナトリウムイオン(Na+)選択的チャネルであるマウスTPC1の構造を、閉じたアポ状態と、リン脂質と結合した開いた状態の両方で明らかにした。これらのデータは機能研究の結果と共に、哺乳類TPCの選択性とゲート開閉機構を植物の相同なチャネルと比較した場合の差異の基盤となるものであり、また脂質の結合によるチャネルの活性化と調節の機構についても情報をもたらしている。
2018年4月5日号の Nature ハイライト
物性物理学:ねじれグラフェンが電子の相互作用を強くする
構造生物学:RAGAに作用するGTPアーゼ活性化タンパク質を抑制する
天文学:銀河系中心にある多くのブラックホール
材料科学:結晶の誕生を観察する
水文学:河川工事によってミシシッピ川の増水が悪化する
微生物学:持続生残細菌に効く薬剤
免疫学:イタコン酸の抗炎症効果
構造生物学:インスリンが結合したインスリン受容体の構造
構造生物学:マウス二孔型チャネルの構造